元アスリートのスーツ選びで最も大切なのは、現役時代に鍛えた筋肉の名残を「今の体型」として正確に採寸し、その体に合わせて仕立てることです。既製スーツが窮屈に感じる、あるいは引退後に体型が変わって手持ちのスーツが合わなくなった——その原因は、肩・胸・背中・太ももの発達に既製の型が対応しきれないためです。結論から言えば、部位ごとに個別採寸できるオーダースーツが最適解になります。愛知県稲沢市の当店でも、元競技者や指導者の方の採寸を数多く担当してきました。
元アスリートが既製スーツで失敗しやすい理由
スポーツで身体を作り込んだ方は、一般的な既製スーツの想定する体型バランスから外れていることがほとんどです。既製スーツはウエストと肩幅、着丈が一定の比率で連動して設計されているため、「肩に合わせると胴がぶかぶか」「胸に合わせると袖と着丈が余る」といったちぐはぐが起こります。特に競技をやめた後も上半身のフレーム(骨格と広背筋の広がり)は残りやすく、そこにジャケットが引っ張られてシワや突っ張りが出ます。採寸の現場では、肩先から肩先までの実寸と、肩甲骨まわりの厚みを別々に測ることでこの問題を解消します。
引退後に体型が変わった人こそオーダーが効く
現役を退くと、多くの方は上半身の筋量が徐々に落ち、代わりに中年期の体重増で腹囲が増えるという二段階の変化を経験します。この「上は緩み、下は詰まる」変化は既製スーツでは最も対応しづらいパターンです。オーダーであれば、肩や胸は現状に合わせてやや余裕を持たせつつ、ウエストは絞りを調整し、将来の体重変動に備えて背中や脇に「出し代(縫い代の余り)」を残す仕立ても可能です。増量期・減量期で体が変わる方の考え方は増量期・減量期で体型が変わる方のスーツ選びでも詳しく解説しています。
指導者・トレーナーに求められる「動けるスーツ」
現場に立つ指導者やパーソナルトレーナーの方は、しゃがむ・腕を上げる・素早く動くといった動作をスーツのまま行う機会が多いものです。ここで効くのが、当店の強みであるストレッチ素材と、可動域を確保する袖付け(アームホールをやや高く小さく設定する)の組み合わせです。アームホールを高くすると、腕を上げてもジャケット全体が持ち上がりにくく、見た目のきれいさと動きやすさを両立できます。競技経験のある方の肩の発達を活かす採寸はアスリート体型のスーツ選びもあわせてご覧ください。
元アスリートならではの体型を活かした一着をお考えなら、まずは現在の体を正確に採寸するところから始めましょう。無料相談で体型の悩みをお聞かせください。
体型別に判断が分かれるポイント
同じ「元アスリート」でも、競技によって残る筋肉の位置が異なるため、仕立ての判断は分かれます。ラグビーや柔道の経験者は首と僧帽筋が発達しているため、ジャケットの襟の抜け(首まわりの浮き)を防ぐ襟付けが要になります。ボディビルやフィジーク経験者はV字シェイプが強く、肩に対してウエストを大きく絞るシルエット設計が映えます。逆に、陸上長距離やトライアスロン出身の方は全体に薄く引き締まっているため、細身に仕立てすぎると貧相に見えることがあり、適度な厚みを持たせるのがコツです。こうした競技ごとの違いは、実際の採寸で体を見て初めて判断できる部分です。筋量が抜けてサイズが変わった方は大幅減量後のスーツ選びも参考になります。
素材と色の選び方
体格のある方が重い印象になりすぎないよう、素材は落ち感のあるウール混のストレッチ生地を選ぶとシルエットがすっきりまとまります。色は濃紺(ネイビー)が万能で、体の厚みを引き締めて見せる効果があります。指導者として人前に立つ機会が多い方は、無地に近い細番手のストライプを選ぶと縦のラインが強調され、上半身の横幅が和らいで見えます。テカりの出やすい光沢素材は体の凹凸を強調するため、マットな織りの生地を選ぶのが無難です。パンツも同様に、太ももの張りがある方はテーパード(裾に向かって細くする)を強めにかけると、脚全体のラインが締まって見えます。生地選びで迷ったら、実際に体に当てて光の反射や落ち感を確認するのが確実です。当店では採寸時に複数の生地を体に合わせながらお選びいただけます。
よくある質問
Q. 引退して10年経ち、かなり体型が変わりました。それでもオーダーの意味はありますか?
A. むしろ体型が既製の型から外れている方ほどオーダーの効果が大きく出ます。現在の肩幅・胸囲・腹囲を個別に採寸するため、上半身の名残と現在の腹囲の両方に無理なく合わせられます。今の体に正直に合わせた一着は、着心地も見た目も既製品とは大きく変わります。
Q. まだトレーニングを続けていて、これからも体が変わりそうです。作っても無駄になりませんか?
A. 将来の変化が見込まれる場合は、縫い代を多めに残す仕立てで対応できます。ウエストや背中を数センチ単位で調整できるよう作っておけば、多少の増減にはサイズ直しで対応可能です。作る前にその旨をお伝えいただければ、調整代を織り込んで設計します。
Q. 指導の現場で動きやすいスーツにしたいのですが可能ですか?
A. 可能です。ストレッチ素材の選択に加え、アームホールの設定やパンツの股上・わたり幅を動作に合わせて調整することで、しゃがむ・腕を上げるといった動作がしやすい一着に仕立てられます。用途を採寸時にお聞かせください。
