バドミントン体型のスーツ|左右差と太い脚に効く5つの補正


バドミントン体型のスーツは、利き腕側の左右差を補正し、ふくらはぎと太ももにゆとりを持たせたオーダーが正解です。バドミントン経験者の体は、片腕を振り続けたことによる上半身の左右非対称と、細かいステップで発達した下半身という、他競技にはない組み合わせを持っています。既製スーツは左右対称・標準的な脚の太さを前提に作られているため、この2点がそのまま「なんとなく合わない」原因になります。

ここでは愛知県稲沢市のオーダースーツ専門店として、バドミントン経験者を採寸する際に実際に確認しているポイントを、部位ごとに解説します。

バドミントン体型のスーツが合わない最大の理由は「左右差」

バドミントンは、ラケットを持つ片腕だけを爆発的に使い続ける競技です。オーバーヘッドストロークを何万回と繰り返した結果、利き腕側の肩の位置・背中の厚み・腕の太さが反対側と明確に変わります。

具体的には、利き腕側の肩がわずかに下がり(あるいは前に出て)、その側の広背筋が厚くなるパターンが多く見られます。既製ジャケットは完全な左右対称で作られているので、この状態で着ると片側だけ襟が浮く・片側だけ袖が長く見える・裾の高さが左右で揃わないといった症状が出ます。

厄介なのは、鏡で正面から見ても気づきにくい点です。写真に写ったときや、後ろから撮られたときに初めて「なんだか歪んで見える」と感じる方が多い。左右差の補正はオーダーの得意分野なので、体に左右差がある人のスーツもあわせてご覧ください。

肩と背中|上半身は思った以上に逆三角形になっている

バドミントン経験者は「細身」と自己認識している方が多いのですが、実際に採寸すると肩幅と背幅に対してウエストが細い、はっきりした逆三角形であることがほとんどです。

この体型で既製スーツを肩に合わせて買うと、ウエストが大幅に余ってずん胴に見えます。逆にウエストで選ぶと肩が入らない。オーダーであれば、肩幅・背幅・ウエストをそれぞれ独立して指定できるので、絞るべきところだけ絞れます。

加えて、ジャンプスマッシュを打つ姿勢の反復で胸を張った姿勢(反り腰気味)になっている方も多いです。この場合は前身頃の丈をわずかに長く、後ろ身頃を短くする「反身(そりみ)補正」を入れると、ジャケットの前裾が開くのを防げます。逆三角形の補正全般については逆三角形体型のスーツ選びで詳しく解説しています。

ふくらはぎと太もも|細かいステップで作られた下半身

バドミントンのフットワークは、コート内を細かく速く移動し続ける動作です。この結果、ふくらはぎ(下腿三頭筋)と前ももが極端に発達します。上半身は細いのに、パンツだけがどうしても入らないという方が多いのはこのためです。

オーダーでの対応は、ワタリ(太もも周り)を増やしたうえで、膝下の細さを出しすぎないこと。ふくらはぎが太い方は、裾に向けて極端に絞ると膝下でパンツが張り付き、逆に太さが目立ちます。膝下は緩やかにテーパードさせ、裾幅を確保するほうがきれいに落ちます。

詳しい寸法の考え方はふくらはぎが太い人のパンツにまとめています。

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稲沢の店頭でバドミントン経験者を採寸するときに見ている3点

実際の採寸では、次の3点を必ず確認しています。

1つ目は肩の高さを左右別々に測ること。当店では正面と背面の両方から肩の傾斜角を確認し、左右で差があればその数値をそのままパターンに反映します。多いのは5〜10mm程度の差ですが、これを吸収するかしないかで、着たときの印象がはっきり変わります。

2つ目は腕を上げてもらうこと。バドミントン経験者は肩甲骨の可動域が広く、腕を上げたときの背中の動き方が一般の方と違います。アームホールの位置と大きさを決める際、静止した状態だけで判断すると、実際に着たときに窮屈さが残ります。

3つ目が現在の運動頻度です。今も週に何度かプレーしている方と、社会人になって運動から離れた方では、数年後の体型の変わり方が違います。特にふくらはぎは運動をやめると比較的早く落ちるため、その見込みを織り込むかどうかは必ずお伺いしています。ここは正解が一つではなく、判断が分かれる部分です。

生地と色柄|細身の上半身をどう見せるか

バドミントン体型は肩と背中がしっかりしている一方、ウエストは細いことが多いため、体のラインを拾う仕立てが似合いやすい体型です。逆に言えば、生地が薄すぎると筋肉の凹凸をそのまま拾ってしまいます。

目安として、通年で使うなら中肉程度の重さがあり、適度なハリを持つ生地が扱いやすいです。ハリのある生地は、肩から背中にかけての面をきれいに見せてくれます。

ストレッチ性については、下半身の動作量を考えると入っているに越したことはありません。特に営業職などで階段の上り下りが多い方は、横方向に伸びる生地を選ぶと膝の出方が明らかに変わります。色柄はネイビー無地やシャドーストライプが、逆三角形のシルエットを縦に整理してくれるため相性が良い選択です。

よくある質問

Q. 左右差はお直しでも直せますか。
A. 袖丈のように片側だけ調整できる箇所は既製品のお直しでも対応可能です。ただし肩の傾斜や背中の厚みの左右差は、パターン(型紙)の段階で分けないと根本的には解決しません。気になるレベルの差があるなら、最初からオーダーで作るほうが結果的に早いです。

Q. 上半身は細いので、既製のSサイズで足りるのでは?
A. 肩幅と背幅で選ぶとSサイズでは足りず、Mサイズにするとウエストが余る、という方が多いです。実際に採寸してみると、ご自身のイメージより肩と背中の数値が大きいケースがほとんどです。まずは数字を出してみることをおすすめします。

Q. 学生時代にやっていただけですが、今も体型に影響していますか。
A. 影響が残っている方は多いです。特にふくらはぎの太さと利き腕側の背中の厚みは、競技をやめてからも比較的長く残ります。既製スーツで「毎回どこか合わない」と感じているなら、その原因である可能性は十分あります。

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