ラクロス体型のスーツ|肩と前腕で失敗しない6つの採寸


ラクロス体型のスーツは、肩幅ではなく「肩の丸み」と「前腕の太さ」を基準に採寸すると失敗しません。クロスを振る動作で三角筋後部と前腕が発達する一方、下半身は走り込みで引き締まっているため、上下で必要なサイズがずれるのがこの競技の特徴だからです。既製スーツで肩に合わせると胴が余り、胴に合わせると肩が窮屈になる——この二択から抜けるにはオーダーが最短です。

稲沢のオーダースーツ専門店として、ラクロス経験者の採寸で実際に確認している6つのポイントを解説します。

ラクロス体型のスーツが既製品で合わない理由

ラクロスはスティックを両手で保持し、体の前でクロスを操作し続ける競技です。そのため肩の前後と前腕、そして体幹の回旋に使う腹斜筋が発達します。一方でウエストは絞られ、脚は長距離を走るランナーに近い引き締まり方をします。

既製スーツのサイズ体系は「胸囲とウエストの差(ドロップ)」で組まれていますが、ラクロス体型はこの差が標準より大きく出ることが多く、市販のA体・AB体のどちらにも当てはまりません。サイズ表記の仕組みはスーツのサイズ表記の見方で詳しく整理しています。

採寸1・2|肩の丸みと背幅を分けて測る

まず肩先の丸みです。ラクロス経験者は三角筋の後部が発達しているため、正面から見た肩幅は標準でも、真横から見ると肩が厚くなっています。この厚みを肩幅の数値だけで拾おうとすると、肩幅を広げすぎてジャケットが落ちて見えます。当店では肩先の傾斜と厚みを別々に記録し、袖付けの角度で調整します。

次に背幅。クロスを構える姿勢が習慣になっている方は、肩甲骨がやや外に開いた状態が平常姿勢になっています。この状態で背幅を測らないと、実際に腕を前に出したときに背中が突っ張ります。採寸時は必ず「クロスを構える姿勢」を再現してもらい、その差分を余裕量に反映します。

採寸3・4|前腕と袖口、二の腕のテーパー

ラクロス体型で最も見落とされるのが前腕です。スティック操作で前腕屈筋群が太くなるため、二の腕は標準でも袖口だけが入らない、という現象が起きます。既製スーツの袖口はほぼ一律の細さで作られているので、ここは詰まりやすい箇所です。

対策は、袖の「テーパー(絞り)」を緩やかにすること。肘から袖口にかけての細くなり方を標準より穏やかにすると、前腕の太さを吸収しつつ全体の線は保てます。袖口の太さだけを広げると、袖全体が筒に見えてしまうので避けます。

シャツも同様で、カフスの実寸を+1〜1.5cm確保しておくと腕時計を着けても窮屈になりません。腕まわりの悩みは背中が張ってジャケットが浮く人のスーツと原因が連動していることも多く、あわせて確認すると判断が早くなります。

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採寸5・6|ウエストの絞りとスラックスの渡り幅

5つ目はウエストの絞り位置。ラクロス体型は胸囲とウエストの差が大きいため、ジャケットの絞りを標準どおりに入れると、絞りすぎて逆に胴が細く貧相に見えることがあります。当店では絞りを1段緩め、そのぶん絞る位置をやや高く設定して脚長効果を出す方法をよく採ります。

6つ目はスラックスの渡り幅です。走り込み中心の下半身は、太ももが極端に太くなるタイプの発達ではありません。ただしハムストリングスと臀部には厚みが出るため、渡り幅を標準で取ると前側だけ余ります。渡り幅は太ももの最大囲ではなく、臀部からの流れで決めるのが要点です。

ラクロス体型に似合うシルエットと生地

上半身に厚みがあり下半身が締まった体型は、ウエストを絞りすぎない自然なシルエットが最も端正に見えます。逆三角形を強調しすぎると、上半身だけが大きく見えて全体のバランスが崩れます。

生地は、ある程度ハリのあるものを選ぶと肩の厚みを滑らかに見せられます。動きやすさを重視するなら織りにストレッチ糸を含んだ生地が有効で、腕を前に出す動作の多い方ほど効果を体感しやすい部分です。他の球技系体型との比較はハンドボール体型のスーツ選びが参考になります。

現役・引退後で変わる一着の選び方

現役の学生・社会人プレーヤーは、体型が動く前提で作るのが賢明です。就職活動や社会人リーグと並行する時期は特に体重が動きます。ウエストに調整余裕を残す仕様にしておくと、数年は問題なく着られます。

一方、引退から数年経った方は、上半身の張りが落ちて以前の一着が肩で余るようになります。この場合は肩まわりを新たに測り直すことが必須で、古いスーツの寸法をそのまま流用すると必ず大きくなります。実際、当店にご相談いただくケースで最も多い失敗がこれです。

よくある質問

Q. 現役中にオーダースーツを作っても大丈夫ですか?
問題ありません。ただしウエストに調整代を多めに残す仕様をおすすめします。体重が3〜4kg動いても対応できる設計にしておけば、引退後しばらくは同じ一着で通せます。

Q. 肩が厚いと肩パッドは薄いほうがいいですか?
多くの場合そうです。三角筋が発達している方は、標準のパッドを入れると肩が四角く盛り上がりすぎます。ただし肩に傾斜がある方は薄すぎると肩先が落ちるため、実際に羽織って確認するのが確実です。

Q. 就活用のリクルートスーツもオーダーにすべきですか?
既製で肩や前腕が入らない方は、オーダーのほうが結果的に無駄がありません。体型で選択肢が絞られる方ほど、既製を買い直す回数が増える傾向があります。

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