サーフィン体型のスーツ|肩と背中で失敗しない6つの採寸


サーフィン体型の人がスーツを着ると、最初に悲鳴を上げるのは肩と背中です。結論から言うと、原因はサイズが小さいことではなく、パドリングで発達した広背筋と三角筋の厚みに対して、既製スーツの背幅と肩の傾斜がまったく足りていないことにあります。だからワンサイズ上げても解決せず、今度は胴回りだけが大きく余ってしまう。この記事では、愛知県稲沢市のオーダースーツ専門店として実際にサーフィン・SUPをされる方を採寸してきた経験から、サーフィン体型のスーツで失敗しないための6つの採寸ポイントを解説します。

サーフィン体型のスーツが合わない3つの原因

サーフィンとSUPは、水をかく動作を1セッションで何百回と繰り返す競技です。その積み重ねで、体には共通した3つの特徴が出ます。

1つ目は広背筋の横方向への張り出しです。脇の下から腰にかけての筋肉が外へ広がり、背中側から見た輪郭が逆三角形に近づきます。2つ目は三角筋後部の厚み。腕を後ろへ引く動作で肩の裏側が盛り上がるため、肩先が前ではなく斜め外へ張り出します。3つ目は前傾ぎみの姿勢です。ボードの上でうつ伏せになる時間が長い方は、立ったときに肩がわずかに前へ出て、背中の上部が丸く見える傾向があります。

既製スーツの型紙はこの3点を想定していません。胸囲に合わせてサイズを選ぶと背幅が足りず、腕を少し前に出しただけで背中の生地が引っ張られ、ジャケットの裾が跳ね上がります。逆三角形の体型全般に共通する問題については逆三角形体型のスーツ|肩幅と胴で失敗しない選び方でも詳しく扱っています。

採寸1:背幅は「腕を前に出した状態」で確認する

当店でサーフィンをされる方を採寸するとき、必ず行うのが「両腕を前へ伸ばしてもらう」動作です。直立した姿勢だけで背幅を測ると、実際にハンドルを握る、名刺を差し出す、パソコンを打つといった日常動作で必要な余裕が足りません。

サーフィン体型の方は、この前方向の動作で背中の生地が最も突っ張ります。そのため背幅は直立時の実寸に対して、通常より5〜8mm多めに設定します。ただし闇雲に足すと背中に横ジワが出るので、肩甲骨の間に指2本分の余裕が生まれる位置を探りながら決めるのが実務的なやり方です。

採寸2:肩傾斜と袖付けは「外向きの張り」に合わせる

サーフィン体型の肩は、いかり肩ではなく「外へ張ったなで肩寄り」になることが少なくありません。三角筋の後部と中部が発達すると、肩先の一番高い点が首側ではなく外側へ移動するためです。

ここで既製品の肩パッドをそのまま使うと、パッドの頂点と実際の肩先の位置がずれ、肩の上に不自然な段差が出ます。当店では、こうした体型の場合は薄めのパッドにして肩の丸みをそのまま活かす方向で組み立てます。袖付けの位置もわずかに前へ振ることで、腕を下ろしたときの袖の落ち方が自然になります。

採寸3:ウエストは絞りすぎない

背中と肩に余裕を持たせると、今度は「胴が寸胴に見えるのでは」と心配される方が多いのですが、実際はその逆です。背幅を確保したうえでウエストをきつく絞ると、絞った部分だけが不自然にくびれ、背中側に「X」の形のシワが走ります。

サーフィン体型は胸囲とウエストの差(ドロップ値)が大きく出やすいので、絞りは控えめにして、脇線のカーブで自然に見せるのが正解です。ドロップ値の考え方はスーツのドロップとは?胸囲とウエストの差で選ぶ方法を参考にしてください。

▶ 肩や背中が張ってスーツが合わない方は、無料相談で実際に採寸してみませんか(INFINITY TAILOR)

採寸4:パンツは太もも基準、裾に向けて細く

サーフィンとSUPはボードの上で常に下半身を安定させるため、大腿四頭筋と臀部が発達します。特にSUPは立位でのバランス保持が長時間続くので、ふくらはぎにも張りが出ます。

パンツは必ず太ももの一番太い位置を基準に作り、そこからヒザ下を細くしていくテーパードのラインを取ります。ウエスト基準で選ぶと太ももで生地が止まり、座ったときに前側が横に引っ張られてシワが放射状に出ます。太ももの張りへの具体的な対処は太ももが太い人のスラックス|張りを解消する採寸のコツで解説しています。

採寸5:生地はストレッチと防シワを優先する

サーフィン体型の方は、可動域を確保するために生地の伸びが効きます。ウール100%でも織りに伸縮性を持たせたタイプや、ポリウレタンを数%混ぜたストレッチ素材を選ぶと、背中と肩の突っ張りが体感で大きく変わります。

また、海に通う方は車での移動が多く、シートに長時間背中を預けるため背面のシワが付きやすい傾向があります。ハリのある中厚手で、しわが戻りやすい糸を使った生地を選ぶと、着回しがぐっと楽になります。当店で相談を受けるときも、まず「週に何日着るか」「車移動か電車か」を伺ってから生地を絞り込みます。

採寸6:仕立て後の体型変化まで見越しておく

これは実際によくある相談です。サーフィンはシーズンによって乗る頻度が変わり、オフの筋トレ期に上半身が一回り大きくなる方がいます。そのため当店では、背中の中心と脇に縫い代を通常より多く残しておく仕立てをおすすめすることがあります。

数センチの変化であれば、後からウエストや背幅を出すことで同じ一着を着続けられます。最初から「変わる前提」で組んでおくかどうかで、スーツの寿命は大きく変わります。

よくある質問

Q. サーフィン歴が長いと既製スーツは絶対に着られませんか?
いいえ、着られる方もいます。ただし胸囲基準でサイズを選ぶと背幅が足りないケースが多いため、既製品を選ぶ場合は背中側から見て肩甲骨のあたりにシワが寄らないかを必ず確認してください。合わない場合はオーダーの方が結果的に費用対効果が高くなります。

Q. 肩幅が広いので大きいサイズを選べば解決しますか?
解決しません。サイズを上げると肩幅と一緒に着丈・胴回り・袖丈がすべて大きくなり、全体がだぶついて見えます。必要なのは肩と背中だけを広げることなので、部位ごとに寸法を変えられるオーダーが適しています。

Q. 採寸にはどんな服装で行けばいいですか?
体のラインが分かる薄手のシャツやTシャツで来ていただくのが理想です。厚手のパーカーなどは実寸が正確に取れません。普段スーツの下に着るシャツがあれば、それを着てきていただくと一番精度が上がります。

関連記事

▶ 無料相談・お問い合わせはこちら(INFINITY TAILOR公式)
▶ LINEで気軽に相談する