秋冬スーツの仕立ては8〜9月が最適|早く動く3つの理由


秋冬スーツの仕立ては8〜9月に動き出すのが最適です。理由は3つあり、納期を逆算すると着用開始の10月に間に合うこと、秋冬向けの生地が最も揃う時期であること、そして採寸の混雑を避けられることです。この記事では、秋冬スーツの仕立て時期を8〜9月にすべき理由と、この時期に選ぶべき生地の考え方を、稲沢のオーダースーツ専門店の視点で解説します。

秋冬スーツの仕立てを8〜9月に始めるべき理由

オーダースーツは注文した翌日に着られるものではありません。採寸から仕上がりまで、一般的に3週間から1か月半程度をみておく必要があります。仕様の変更や体型に応じた調整が入ると、さらに時間がかかることもあります。

秋冬物の着用が本格化するのは10月中旬以降です。ここから逆算すると、8月下旬から9月上旬に採寸を済ませておけば、余裕をもって着用時期に間に合います。逆に10月に入ってから動き始めると、仕上がりは11月中旬以降になり、最も着たい時期を逃してしまいます。

生地の選択肢が最も豊富なタイミング

2つ目の理由は生地です。秋冬向けの生地は、シーズンが近づくにつれて人気の色柄から順に在庫が薄くなっていきます。特にネイビーやチャコールグレーの定番無地は動きが早く、シーズン中盤には希望の生地が選べないことも珍しくありません。

8〜9月であれば、その年の秋冬生地がほぼ出揃った状態で、かつ在庫も潤沢です。フランネルやツイードといった季節感のある生地も、この時期なら選択肢が広く残っています。秋冬向け生地の特徴については冬用スーツの生地選びで詳しく解説しています。

採寸にじっくり時間をかけられる

3つ目は、店舗が混み合う前に採寸できることです。オーダースーツの仕立て依頼は、9月下旬から11月にかけて集中します。この時期は1組あたりにかけられる時間が限られ、じっくり相談したい方には不向きです。

8月から9月上旬であれば、採寸と生地選びに十分な時間を確保できます。特に体型に悩みがある方や、初めてオーダースーツを作る方にとって、この時間の差は仕上がりの満足度に直結します。

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店頭で実感している「間に合わなかった」パターン

毎年10月から11月にかけて、当店には「急いで作りたい」というご相談が増えます。多いのは、急な役職変更や、参列予定のなかった式典が決まったケースです。こうした場合でも対応はしますが、選べる生地が限られたり、細かい調整を省かざるを得なかったりと、どうしても妥協が生じます。

もう一つよくあるのが、去年のスーツを出したら合わなくなっていたというパターンです。夏の間に体型が変わっている方は少なくありません。9月上旬に一度昨シーズンのスーツに袖を通し、肩・胸・ウエストの3か所を確認しておくと、仕立てるかどうかの判断が早くできます。スーツの買い替え時期の目安はスーツの寿命と買い替えのタイミングにまとめています。

秋冬に選びたい生地の重さと織り

秋冬スーツの生地選びで基準になるのが「目付」と呼ばれる重さです。一般的に260g以上が秋冬向けとされ、280gから320g程度の生地は保温性と落ち感のバランスがよく、シルエットが安定します。

屋内での仕事が中心で、暖房の効いたオフィスに長時間いる方であれば、あえて軽めの生地を選ぶ判断もあります。逆に外回りが多い方は、しっかりした目付の生地に裏地の仕様を工夫することで、コートなしでも過ごせる期間が延びます。コートとの組み合わせを考える場合はオーダーコートの選び方もあわせてご検討ください。

なお目付が同じ生地でも、織りの密度によって体感の暖かさは変わります。同じ300g前後でも、目の詰まったウーステッドは風を通しにくく、起毛したフランネルは空気の層で暖かさを保ちます。屋外に出る時間が長い方には前者、室内中心で柔らかい風合いを好む方には後者が向きます。実際に生地に触れて重さと厚みを確かめていただくと、数字だけでは分からない違いが実感できます。

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2着目・3着目を考えるのにも適した時期

すでにオーダースーツをお持ちの方にとっても、8〜9月は2着目を検討しやすいタイミングです。体型データが残っているため採寸の時間が短く済み、1着目との差別化を意識した生地選びに時間を使えます。

秋冬は着回しの幅が広がる季節でもあります。1着目が無地のネイビーであれば、2着目にグレーの織り柄を選ぶといった組み立てで、着用ローテーションが組みやすくなります。ローテーションを組むとスーツ1着あたりの寿命も延びます。

よくある質問

Q. 秋冬スーツの仕立てにはどのくらい期間がかかりますか。
採寸から仕上がりまでおおむね3週間から1か月半が目安です。仕様の変更や体型に応じた調整が入る場合は、もう少しお時間をいただくこともあります。10月の着用開始を目指すなら、8月下旬から9月上旬の採寸をおすすめします。

Q. オールシーズン用の生地では冬に対応できませんか。
屋内中心の方であればオールシーズン生地でも十分対応できます。ただし外回りが多い方や寒がりの方は、目付のある秋冬専用生地のほうが快適です。着用シーンをお聞かせいただければ適した重さをご提案します。

Q. 夏に採寸すると冬に体型が変わっていませんか。
ご懸念のとおり、数か月で体型が変わる方はいらっしゃいます。そのため採寸時に、その方の体型変化の傾向をうかがったうえで、必要に応じて調整代を残す設計にしています。仕上がり時のフィッティングでも微調整が可能です。

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