野球で鍛えた体型の方がスーツをきれいに着こなすなら、既製品よりオーダースーツが正解です。理由はシンプルで、野球体型に多い「張った肩」「厚い胸板」「太い太もも」は既製サイズの想定から外れやすく、どこか一箇所を合わせると別の場所が余ったり突っ張ったりするからです。この記事では、稲沢のオーダースーツ専門店として実際の採寸で見ている観点をもとに、野球体型を活かす一着の作り方を解説します。
野球体型のスーツが既製品で合わない理由
野球経験者の体型は、送球や打撃で使う肩甲骨まわり・広背筋が発達し、下半身は走塁とスクワット系のトレーニングで太ももとお尻が張っているのが特徴です。既製スーツは「肩幅に対して胸囲・ウエスト・もも周りはこのくらい」という平均的な比率で作られているため、肩や胸に合わせるとウエストがぶかぶかになり、逆にウエストで選ぶと肩や太ももが窮屈になります。
当店で野球部出身の方を採寸すると、上半身と下半身で必要なサイズが2つ以上ずれることが珍しくありません。この「比率のズレ」を1着の中で吸収できるのがオーダーの最大の強みです。アスリート体型のスーツ選びでも触れているとおり、鍛えた体はサイズではなく「設計」で合わせるのが基本になります。また、投球や打撃で片側の筋肉が発達し、左右で肩の高さや腕の太さが違う方も多く、この左右差もオーダーなら左右別々に補正できます。
ポジション別に変わる、野球体型の合わせ方
ひとくちに野球体型といっても、ポジションで発達する部位が違います。ピッチャーや外野手は肩・背中の可動域が大きく、腕を上げてもジャケットが釣り上がらない「アームホールの設計」が重要です。キャッチャーや内野手はしゃがむ動作が多く太ももとお尻が張るため、パンツのヒップと渡り幅にゆとりを持たせる必要があります。
打者として体を作ってきた方は胸板と前腕が厚くなりやすく、ジャケットの前が引っ張られてボタン位置がしわになりがちです。こうした部位ごとの張りは、ラグビー体型のスーツとも共通する悩みで、上半身の厚みをどう逃がすかが仕立ての鍵になります。首が太くワイシャツの襟が苦しいという声も多く、その場合は首回りだけゆとりを出す調整も可能です。
野球体型のスーツで押さえたい採寸ポイント
実際のフィッティングでは、腕を投球フォームのように動かしてもらい、アームホールと背中の突っ張りを確認します。次にしゃがんでもらってパンツの太もも・ヒップのつっぱりをチェックします。「立っているときだけ綺麗」ではなく「動いても綺麗」が野球体型のスーツの合格ラインです。座ったときに膝上が張らないか、歩幅を広げてもパンツが引っ張られないかも、当店が必ず確認する動作チェックです。
生地はストレッチ性のあるものを選ぶと、鍛えた体でも一日中ストレスなく過ごせます。詳しくは細マッチョに似合うスーツの記事でも紹介していますが、素材選びだけで着心地は大きく変わります。当店ではフルオーダースーツを59,800円(税込)から承っており、体型に合わせた一着を仕立てられます。
減量期・増量期で体型が変わる人のスーツ対策
オフに体を作り込む選手や、引退後に体型が変わりやすい方から特によく相談を受けます。増量期と減量期で胸囲やウエストが数センチ動く場合、ジャストで作りすぎると片方の時期で着られなくなります。当店では、よく着る時期の体型を基準にしつつ、ウエストのサイズ直し代を多めに残す設計を提案しています。
大会後に一気に絞れてスーツが緩くなった、というのもトレーニーに多いケースです。オーダーであれば後からのサイズ調整範囲を見込んで作れるため、体型の変動が前提の方こそオーダー向きといえます。
引退後・指導者としての装いにも
現役を引退してコーチや指導者、あるいは営業職などに進む方も多く、「現役時代の体型のままスーツをかっこよく着たい」という相談が増えています。鍛えた体は、正しく仕立てれば既製品では出せない立体感と存在感を生みます。体型を隠すのではなく、活かす方向で設計するのがオーダーの醍醐味です。
よくある質問
Q. 野球体型だと既製スーツのサイズ直しでは対応できませんか?
既製品のお直しは主にウエストや着丈など限られた範囲の調整です。肩幅やアームホール、太ももの渡り幅といった土台の寸法は変えられないため、部位ごとの比率が大きくずれる野球体型では、最初からオーダーで作る方が満足度が高くなります。
Q. 太ももが太くてパンツがいつもパツパツです。改善できますか?
はい。オーダーなら太ももの渡り幅とヒップにゆとりを持たせつつ、裾に向けて自然に細くするテーパードで、太さを目立たせず脚長に見せる設計ができます。しゃがむ・歩くといった動作でのつっぱりも解消できます。
Q. 現役で体型が変わりやすいのですが作っても大丈夫ですか?
問題ありません。よく着る時期の体型を基準に、ウエストなどのサイズ直し代を残して仕立てます。増量期・減量期の変動幅をあらかじめ伺った上で設計するので、体型が動く方こそオーダーが向いています。
