オーダースーツの採寸はどこを測る?12項目と当日の伝え方


オーダースーツの採寸で測るのは、主に上半身5項目・下半身6項目・着丈まわり1項目の計12項目です。ただし本当に仕上がりを左右するのは、この数字そのものよりも「数字に表れない姿勢とクセをどれだけ拾えるか」にあります。オーダースーツの採寸は、メジャーを当てる作業ではなく、体の情報を集める工程だと考えてください。

この記事では、愛知県稲沢市のオーダースーツ専門店として日々採寸を行っている立場から、各項目が着心地のどこに効くのか、当日は何を伝えればよいのかを具体的に解説します。初めての方が「何を聞かれるかわからない」という不安を解消できる内容にしています。

オーダースーツの採寸は「12項目+姿勢の観察」で決まる

まず全体像を押さえておきましょう。一般的なオーダースーツの採寸項目は次の通りです。

  • 上半身:肩幅/胸囲/胴囲(ウエスト)/背幅/袖丈
  • 下半身:ウエスト/ヒップ/わたり幅/膝幅/裾幅/股下
  • 着丈:ジャケット丈

店によっては首まわりや腹囲、前肩の出具合などを加えて15〜20項目を測ることもあります。項目数が多いほど良いというわけではなく、測った数字をどう解釈するかのほうが重要です。同じ胸囲100cmでも、胸板が厚い方と背中が広い方では必要なゆとりの入れ方がまったく違うからです。

上半身の採寸項目|肩幅・胸囲・胴囲・背幅・袖丈

肩幅は、左右の肩先の間を背中側から測る項目です。オーダースーツの採寸で最も修正が効かない部分で、ここが1cm違うと袖の付け根に不自然なシワが出ます。

胸囲は脇の下を通して胸の一番高い位置を一周させます。実測値にゆとりを加えた数字が仕上がり寸法になり、ゆとりの量が「細身に見えるか、ゆったり着られるか」を決めます。当店では実測+16〜20cmを目安に、体型と用途で調整します。

胴囲はジャケットのウエスト位置の周径です。胸囲との差(ドロップ)が大きいほど逆三角形のシルエットになりますが、差をつけすぎるとボタンを留めたときに前身頃が引っ張られてX字のシワが出ます。

背幅は左右の脇の間を背中側で測る項目で、腕の上げやすさを直接左右します。デスクワークが多い方や運転時間が長い方は、ここを数ミリ広く取るだけで体感がまったく変わります。

袖丈は肩先から手首までの長さです。シャツの袖口が1〜1.5cm見える長さが基本ですが、腕時計を常用する方や左右差がある方は個別に調整します。

下半身の採寸項目|ウエスト・ヒップ・わたり・膝幅・裾幅・股下

パンツの採寸は、履き心地の満足度に直結します。ウエストはベルト位置で測りますが、腰骨で履くか腰の高い位置で履くかによって数値が3cm以上変わるため、普段の履き方を必ず申告してください。

ヒップはお尻の一番出た位置の周径、わたり幅は股下から2〜3cm下の太もも周りです。スポーツ経験者や自転車通勤の方はわたりが必要になりがちで、ここが足りないと座った瞬間に生地が突っ張ります。

膝幅と裾幅は脚のラインを作る項目です。裾幅は細くするほど今風に見えますが、ふくらはぎが太い方が細くしすぎると裾が持ち上がって靴下が見えます。股下は靴を履いた状態を想定して決めるため、当日は普段スーツに合わせる靴の高さを伝えておくと精度が上がります。

自分の体がどの項目でつまずいているか、実際に測ってみるのが一番の近道です。採寸だけのご来店やご相談も歓迎しています。無料相談・ご予約はこちらからどうぞ。

数字に表れない「姿勢と体のクセ」も採寸の一部

ここが、実店舗で採寸する最大の意味だと考えています。メジャーの数字だけでは、次のような情報は絶対に拾えません。

  • 反り腰か猫背か:背中が丸い方は後ろ着丈を長く、反り腰の方は後ろを短く設定しないと、裾が跳ね上がります。
  • 前肩かどうか:肩先が前に入っている方に通常の袖付けをすると、腕を下ろしただけで袖に縦ジワが出ます。
  • 左右の高さの差:利き手を長年使う競技経験者は、左右の肩の高さが5mm以上違うことがよくあります。
  • 腹部の出方:同じウエスト値でも、上腹部が出ているか下腹部が出ているかでボタン位置の設計が変わります。

当店では採寸の前後に、腕を上げる・座る・前に手を組むといった動作を必ず見ています。数字が正しくても動作で不具合が出る方は一定数いるため、その場で確認したほうが早いからです。仕上がり前に一度形を確認したい方には仮縫いを挟む方法もご案内しています。

オーダースーツの採寸当日に伝えるべき3つのこと

採寸の精度は、お客様からの情報でも大きく変わります。当日は次の3点を意識してお伝えください。

1. 用途と着用シーン。毎日の外回りなのか、週1回の会議なのか、式典用なのかで、ゆとりの量も生地の選択も変わります。

2. 今のスーツで不満な点。「肩が凝る」「座るときつい」「腕が上がらない」といった具体的な不満は、そのまま設計の指示になります。抽象的な要望より、不満の言語化のほうが役に立ちます。

3. 体型の変化予定。減量中、増量中、あるいはこれから体を絞る予定があるなら必ずお伝えください。縫い代の残し方が変わります。なお、仕上がり後に調整できる範囲には限界があるため、サイズ直しで対応できる範囲を先に把握しておくと安心です。

採寸当日の服装と所要時間の目安

服装は、体のラインがわかる薄手のトップスが理想です。厚手のニットやパーカーの上からでは正確に測れないため、その場でお脱ぎいただくことになります。パンツも、普段スーツに合わせる履き方に近いものだと股下の精度が上がります。

所要時間は、採寸だけなら15〜20分程度です。ただし生地選び、仕様(ボタン数・ベント・裏地など)の決定を含めると、初回は60〜90分ほど見ておくと余裕を持ってお選びいただけます。時間に追われて生地を決めると後悔しやすいので、初回はゆとりのある日をおすすめします。

費用感が気になる方は、オーダースーツの価格・相場の記事を先に読んでおくと予算の目安が立てやすくなります。当店のフルオーダースーツは¥59,800(税込)からです。

よくある質問

Q. オーダースーツの採寸は自分で測って伝えることもできますか。
数値をお持ちいただくこと自体は可能ですが、自己採寸はメジャーの角度や引く強さで数センチずれます。特に肩幅と背幅は一人で測るのがほぼ不可能なため、店舗での採寸をおすすめします。所要時間は15〜20分程度です。

Q. 一度採寸したら、次回からは採寸なしで注文できますか。
データは保管しているため、体型に変化がなければ2着目以降は生地選びだけで進められます。ただし前回から半年以上空いている場合や、体重が3kg以上変わった場合は、簡易的に測り直すことをおすすめしています。

Q. 採寸した数字は教えてもらえますか。
お伝えできます。実測値と仕上がり寸法の両方をご説明したうえでお渡ししています。ご自身の数字を把握しておくと、既製品を選ぶときにも判断材料になります。

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