シャツの襟型は、顔の輪郭と首の太さ、そして着る場面の3つで決めれば失敗しません。丸顔なら開きの狭い襟で縦を強調し、面長なら開きの広い襟で横を足す——これが基本原則です。首が太い方は、開きの広い襟が首の太さを横に強調してしまうため、原則より一段狭い襟を選ぶと収まります。
襟はシャツのなかで唯一、ジャケットを着ていても常に顔のすぐ横にある部分です。つまり相手がもっとも長く見ている場所であり、ここが合っていないと全体の印象が整いません。この記事では代表的な7種類の襟型を、選び方の判断基準とセットで整理します。
シャツの襟型を決める3つの判断軸
個別の襟型を見る前に、判断軸を押さえておきます。
1つ目は襟の開き角度。左右の襟先がどれだけ開いているかで、顔まわりの印象が変わります。開きが狭いと縦長に、広いと横に広く見えます。
2つ目は襟の高さ(台襟の高さ)。首が長い方は高めの台襟、首が短い方は低めが収まります。ここは見落とされがちですが、首の見え方に直結します。
3つ目は襟羽根の長さ。長いほどクラシックで落ち着いた印象、短いほど軽快な印象になります。ジャケットのラペル幅とのバランスも関わってきます。
この3つを組み合わせると、同じ「ワイドカラー」でも印象がまったく変わります。オーダーシャツならこれらを個別に指定できます。基本についてはオーダーシャツの基礎知識をご覧ください。
レギュラーカラーとセミワイドカラー|迷ったらこの2つ
レギュラーカラーは開き角度がおよそ75〜90度の標準的な襟です。もっとも汎用性が高く、ビジネスから冠婚葬祭まで対応できます。面長の方にはやや縦を強調しすぎることがありますが、それ以外の方には基本的に無難な選択です。
セミワイドカラーは開きが100〜120度程度。レギュラーより少し横に開くことで、ネクタイの結び目まわりに余裕が生まれ、現代的な印象になります。ジャケットを着る前提なら、実務上もっとも使いやすい襟型です。
この2つで大半の場面はカバーできます。1枚目のオーダーシャツで迷っているなら、セミワイドを選んでおくと使い道に困りません。
ワイドカラーとホリゾンタルカラー|横に広げたいときの選択
ワイドカラーは開きが120〜140度程度。面長・逆三角形の輪郭の方が、顔の縦の長さを和らげたいときに有効です。ネクタイはやや大きめの結び目(ウィンザーノットなど)が合います。
ホリゾンタルカラー(カッタウェイ)は襟先がほぼ水平になるまで開いた形です。もっとも横方向の効果が強く、ノータイでも襟が寝ずに立ってくれるため、ジャケパンスタイルとの相性が良い襟型です。
ただし、首が太い方や丸顔の方がホリゾンタルを選ぶと、顔と首の横幅がさらに強調されます。首まわりに悩みがある場合の考え方は首が太い人のスーツとシャツで詳しく解説しています。
ボタンダウン・タブカラー・ピンホールカラー|使いどころのある3種
ボタンダウンカラーは襟先をボタンで留める形。もとはスポーツ由来のカジュアルな襟で、金融や公的な場面ではやや軽く見られることがあります。一方、オフィスカジュアルやノータイの場面では自然にまとまります。
タブカラーは左右の襟の裏側にあるタブでネクタイの結び目を持ち上げる襟型。結び目が立体的に見え、きちんとした印象が出ます。ネクタイ着用が前提の襟なので、ノータイでは使えません。
ピンホールカラーはカラーピンを通す穴が空いた形で、タブカラー同様に結び目を持ち上げます。より格式のある印象になりますが、日常のビジネスシーンではやや目立つ選択です。
この3種は「持っていると便利だが、1枚目には向かない」襟型と考えておくとよいでしょう。
稲沢の店頭で襟型を決めるときに実際に見ているポイント
当店では襟型を決める際、カタログを見て決めていただくことはしません。必ずサンプルの襟を実際に首元に当てて、鏡で確認していただきます。理由は、同じ「ワイドカラー」でも、首の長さと肩の位置によって見え方がまったく違うからです。
実際によくあるのが、「面長だからワイドが良いはず」と考えていた方が、当ててみると台襟の高さのほうが効いていた、というケースです。首が長めの方は、襟型を変えるより台襟を数mm高くするほうが、はるかに顔まわりが安定します。
もう一つ確認しているのが、普段ネクタイを締めるかどうかです。ノータイが中心の方にタブカラーやピンホールを勧めても使われません。逆に、ネクタイ着用が毎日必須の職種であれば、開きが狭すぎる襟は結び目に押されて型崩れしやすくなります。
筋肉質で首まわりと胸囲のバランスが標準から外れる方は、襟型よりまず首まわりと胸囲を独立して採寸することが先です。この点は筋肉質な人のオーダーシャツにまとめています。
よくある質問
Q. 冠婚葬祭ではどの襟型を選ぶべきですか。
A. レギュラーカラーがもっとも無難です。ワイドやホリゾンタルでも許容される場面は増えていますが、格式を重んじる式や弔事では、標準的なレギュラーカラーの白無地を選んでおけば間違いありません。ボタンダウンは避けてください。
Q. 襟の硬さ(芯地)は選べますか。
A. オーダーシャツであれば選べます。しっかり立たせたいなら硬めの芯、ノータイで自然に着たいなら柔らかめ、といった具合です。ノータイが多いのに硬い芯を入れると、第一ボタンを開けたときに襟が開きすぎて落ち着かないことがあります。
Q. 何種類くらい持っておけば十分ですか。
A. 日常的にスーツを着る方なら、セミワイドを中心に数枚、冠婚葬祭用のレギュラーカラーを1枚、ノータイ用にホリゾンタルかボタンダウンを1〜2枚あれば、ほぼすべての場面に対応できます。まずは使用頻度の高い襟型から揃えるのが効率的です。
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愛知県稲沢市のINFINITY TAILORは、オーダースーツ・オーダーシャツを取り扱う専門店です。フルオーダースーツは59,800円(税込)から承っています。
